『英語は科学的に学習しよう』 第二言語習得論による語学勉強法について

白井恭弘著『英語はもっと科学的に学習しよう SLA(第二言語習得論)から見た効果的学習法とは』を読んだ。
とても簡単で、すばやく読める本だ。本来はきちんとした学問的な分析をへた第二言語習得論を、砕いて語り、英語学習ハウツー本にしている。
それまでいくつかの英語学習本を読んだが、この本がもっとも“納得できる”学習本だ。“役に立つ”かどうかはまだ分からないが。
私は英語を習得るためにいろんな方法を試しているが、その基準になっているのは私にとっての第二言語である中国語の習得過程と方法の試行錯誤だ。
中国語習得の過程でいくつもの外国語習得法の本や、言語学の本を読んだことがある。実際の言語習得の長さと同時に、習得論や学習方法論を読んだり頼ったりするのは、それはそれは歴史がある。(笑)
それくらい、語学を学習する人は、“無駄にしたくない”“効果的な方法はないか”“楽にうまくいく方法はないか”と考えているものだ。(笑)
私の場合は、そうしながら中国語を習得し、通訳になってもさらに勉強が必要なので勉強を続け、毎回の通訳の度に専門用語を簡単に覚える(終わったら忘れていいから)方法はないかと探し、もっとすてきな訳文はないかと勉強を続ける。
そうやって来た私にとって、第二言語習得論は魅力的な学問だ。確か以前にも、これの研究者・アカデミック系の本を読んだときに、膝を叩着たくなるような感覚を味わったことがある。第二言語の中国語を勉強中の私にとって、いちいち、当たっている気がしたのだ。「これは私にも効果あった」「確かにこの順序で理解していく」「そういえば私もこの段階でこの方法はよかった」と。
それもそうだ、実際に第二言語を取得した沢山の人たちのデータを集めて分析した結果なのだから。だからこの本も、自分の中国語習得の過程に照らし合わせて、「この学習方法は納得できる」と思うのだ。
役に立つかどうかわからない、というのは理由がある。①まだそのうちの二つほどを実際に試していない。②もう最初の言語習得のころほど若くない。(なにしろこの本で最も効果的な習得の条件として第一に“若さ”を上げている)③私自身が最も効果があったと感じている方法「音読」をあまり評価していない。(それ以外に効果があったと感じている方法はほぼ紹介されている)
だが総合的には、本当に納得できる第二言語習得論だ。おすすめである。