羽生と茂木の対談

今読んでいる「自分の頭で考えるということ」は、ハッとする言葉が、いっぱい埋まっている。
将棋の羽生善治さんと脳科学者の茂木健一郎氏の対談集だ。
とくに羽生さんは、もう、なんかスゴイ。言うことが、いちいち凄い。
たしか、以前テレビのインタビューで、将棋を指すときの自分の集中しゅるようすを「次第しだいに潜水していく感じ」と例えていた。
頭で考えていることが実際の体験というか、考えている状態が実存であるこの人の、対談での言葉は、読んでいて、いろいろなことを想像させる。
何も考えないで行動する、何も考えないで体だけ動かす、というのは、この人にはないかもしれない。
何も考えないで顔を洗い歯を磨いている、という時のこの人は、きっと、やはりぼんやりと、何かを考えているのだろうな。
以前よくあった、あの髪の毛の寝癖は、彼が考えることだけに集中してる生活を送っている、その象徴に見える。
さて、こういう人には、対談相手で引き出されるものが、違ってくるだろう。たぶん、茂木氏は羽生さんのことが好きで、また興味が大いにあるのだろう。だから、こんな対談になるのだ。きっと。