観光客は旅人

日本にくる中国からの観光客を、「金づる」とだけ考えていると、必ずしっぺ返しが来る。
だが、いまの報道を見聞きしていると、その視点ばかりが目立つ。
どうしてだろう。
日本人は、欧米から来る観光客を「金づる」とだけ考えるだろうか。違うような気がする。
それなのに、今回のビザ緩和の中国人観光客増加見込みのメディアの報道を見ると、日本はまるで、中国からの観光客を、ただ「おカネを落とす客」としか考えていないように見える。
これを、ビジネスチャンスと捉えるのは、当たり前だ。商売やビジネスに関わる人は、当然それを考えるべきだ。
だが、異文化理解チャンスとか、民間交流チャンスとか、日本理解チャンスとか、そんな視点は一つもなくていいのだろうか。
観光客は、旅行で来る。旅だ。旅人だ。
自分が、旅で、旅行で、どこかの国や県に行く時、何を求めていくのだろうか?
というか、どう扱われたいだろうか?
カネを落とす人としてだけ扱われたら、嫌だろう。
旅人は、旅に来ているのだ。旅に必要だからお金を使うのであって、お金を落とすために来ているのではない。