「誰も知らない男」はなぜ世界一有名になったか

「誰も知らない男 なぜイエスは世界一有名になったか」を読んだ。 (ブルース・バートン著 小林康彦訳 日本経済新聞社
宗教書ではなく、ビジネス書としての著作だ。広報・ビジネス・リーダーという観点から、イエスを描いた本だ。物語のように書いているから、すぐに読める。
「説得と広告、PRの天才イエスの物語。本書のメッセージは、80年の時を経てもなお私たちに強く訴えかける」がカバー裏に書かれた、うたい文句だ。
実際、ビジネスの起業といういう観点から見ると、イエスというのは天才だろう。広報という観点からも、もしかして創始者だろう。リーダーという観点からだと、これはもう当然、偉大なリーダーだ。
確かにそのとおり。 …。 だから…。 だからこそ、これはやっぱり宗教書だ。
どんな読み方もできる、どんな分野にも応用できる、どんな風にも展開できる。これが偉大な宗教の証だろう。この本は、そんな宗教の「どんな分野にも応用できる」一つとして、広報の観点で読み解いた、という風に私はとった。第一、隠そうとしても(隠してないだろうが)著者の宗教心の強さとキリストへの信頼は、相当に読み取れる。
あ、もちろん著者と訳者の意図と意思のとおり、広報の本として読めるよ。実際私は広報・リーダー論・企業論の本として読んだ。ただ、読後感にひとつ感想が加わったということだ。
釈迦や日蓮を、このように書けるかなあ、と想像しながら読んだ。
あ、それからマンガ「聖☆兄さん」を思い出しながら、読んだ。(笑)