ノーベル経済学賞は日本では正規のノーベル賞と見なされないという事実

日本は、ノーベル経済学賞を正規のノーベル賞とは見なさず賞金に課税をする、ということを今日初めて知った。
つまりこうだ。
ノーベル賞は、平和賞以外はスェーデンのノーベル財団が決める。賞金は財団からでる。だがノーベル経済学賞はスェーデン国立銀行が設立300周年を記念して設定した。受賞者を決めるのはノーベル財団だが、賞金は同銀行が負担する。
というわけで、日本人が平和賞を含めたノーベル賞を受賞した場合、日本で賞金に課税されることはない。だがノーベル経済学賞だけは、ノーベル財団が出していないからという理由で、日本は課税される。
幸いにも(?)これまでノーベル経済学賞を受賞する日本人がいないので、まだ問題にはなっていない。(笑)
今日の昼、経済学者の岸本教授を囲んでキッシー美女会が開かれた。少人数の会だ。ただの雑談。(笑)
だがキッシ―はいつも、なにか面白いペーパーを用意してくれる。講義のような新しい情報や話題を提供し、議論の種をくれる。
今回のテーマは『安定配分とマーケットデザイン理論』。今年のノーベル経済学賞を受賞した学者の研究だ。
そのペーパーの最初に、この事実が書いてあった。私は、テーマも面白かったが、この事実のほうがもっと興味深かった。
日本人に受賞者がいないのはそれのせい? だってあげるほうも、正規のノーベル賞と見なさない国にどうして賞を上げるのか……と心情的にはなるかも。
実際一度、受賞者が出たらどうするの? それにしても日本の経済学者、かわいそうだな。これは公共政策的な課題だ。スェーデンの財団は怒らないの? ……。
思うところ、多々である。
さて、今年のノーベル経済学賞のレジメを見て思った。
この研究は、もう経済学の『定義』の問題にかかわる、経済学を『再定義』する時代になった、と。