大前提が変わったのに

昨日、看護師をしている友人と数時間一緒になった。
「ねえ、選挙、やっぱりやるの?」
「被災地以外は統一地方選やるって、国会は決めたみたいよ」
「信じられない。○○党から、率先して辞めればいいのに」
彼女は、今この時期に、統一だろうと何だろうと、選挙をやること自体が納得いかないという。実は私も。この点で意見が一致した。
選挙を延ばせない理由よりも、選挙を延ばす理由の方が相対的に大きいと思うのだが、国会や政党の立場からすると、関係ないのかもしれない。

東北関東の被災地以外では、次のことが想定される。
被災地にいって活動している10万人の自衛隊は、地元に戻れないから、投票ができないかもしれない。
思いがあってボランティアで東北にいっている人は、これもまた投票が難しいだろう。
被災者を受け入れている自治体や地域は、選挙の準備どころではなく、人員が足りなくて過重負担になるだろう。投票の場所もやりくりが難しい。
計画停電が実施されている地域は、選挙にかかわる事務処理が普段のように的確にできず、スタッフや労働時間にしわ寄せが来るだろう。
それから、それから……。

今、大前提が変わったのだ。普通の国民は、正確な言葉にできなくても直感でそれを感じている。
選挙はたしかに、国民・市民の権利だ。だからこそ、その権利がスムーズに行使されるように、前提が大きく変わった後は、それにそった対策をするべきだろう。
公共経営とは、そういうものだろう。
政治とは、そういうものだろう。