映画『がんばっぺ フラガール』

映画「がんばっぺ フラガール」を見た。
ドキュメンタリーである。
商業映画館でのドキュメント映画の上映は、難しい。テレビでドキュメントを見るのとは、わけが違う。
1800円を出して、それでも惜しくなかった、という構成と内容とインパクトにしなければ、やはり見てくれる人は多くならないだろう。
今回は題材が『フクシマ』と『フラガール』。
たくさんの人に見てほしいが、たくさんの人に見てもらえるものだっただろうか。
私は泣いたけど、それは、私が涙線のゆるい人間だからだ。
ドキュメント制作やテレビ・舞台の通訳が多く、実際に制作にも加わったことのある人間からすれば、もらい泣きしながらも、つい厳しく見てしまう。せっかくの題材なのに……と。
ただ。
ファイヤーマン・男性ダンサーたち三人の様々な映像と扱い、それに対する少なめの説明はよかった。
特に、それで最後の浜辺での一人の男性ダンサーとその子ども達の映像とセリフが却って生きた。
何しろ、私には、それが一番の名場面に思えた。
多分、震災後にたくさん流れたニュースやドキュメントがあったなかで、あの場面だけが、この映画でしか見れない、この映画だから意味があったシーンだっただろう。