受験をする高校3年生

甥が、大学のAO入試の一次試験に受かった。明日の夜、沖縄から東京にやってくる。二次試験は、今度の日曜日だ。
夏に、一週間あまり我が家に来て、受験合宿をやった。私がチューターだ。
その一週間、朝から晩まで討論し、様々なテーマで小論文を書かせ、合計38本の文章を書いた。そこから、すぐれた数本の文章を選んで構成し、1000字の自己推薦書と2500字の志望理由書を書いた。
甥はいま農業高校にいる。それで工学部に受験しようというのだ。志にあった戦略を立てねばならない。たとえ大学受験でも。
充分に頭が良いが、受験には不利でハンディーがありすぎる。だが、農業を工学的アプローチでやりたいという観点は面白い。これはAO入試しかない、と思った。
工学部のAO入試なので、情緒的にだけ訴えてもいけない。論理的で、文章の中できちんと議論を展開しなければいけない。
一次を合格できたのだから、それはうまくいった証拠だ。
そして今度は二次試験。90分の小論文と、複数人数での討論を含めた面接がある。
昨日、その去年の合格経験者の体験メールを手に入れて、ちょっとびっくりした。さすが工学部。小論文のテーマといい、討論のテーマといい、…難しい。
討論はどうやらディベイトの形らしい。 やるしかない。
なぜだか最近、自分以外の人間の受験のチューターをやる機会があって、私はボランティアで個人教授をしている。学習塾・受験塾の代わりだ。
たとえボランティアでも、受験に勝たねばならない。甥の場合は大学受験、人生がかかっている。 それなのに、のんびりとした環境と沖縄という「なんくるないさ」精神がありすぎる場所にいるから、ハードルが高い。
私も、人生かける気でなければ、この勝負は勝てない。もしかして甥にやってあげる事ができる唯一のことかもしれない。
今、全国の進学しようとしている高校3年生は、辛く苦しい時期にあるんだね。
進学してくても進学できない高校3年生は、さらに辛く苦しい時期にある。自分の高校3年生を思い出す。